今まで流れていた小川に一個の小石を投げ込む。それは小さな石なのだが、今まで何事もなく流れていた水に波紋が広がる。
清く流れていたはずの小川は濁ってしまいます。表面では清く流れていたはずですが、実際はさまざまな問題を隠しながら流れにまかせていただけなのです。しばらく時間がたつと沈殿し、小川は清流に戻っていきます。
建物はただの小石です。人間の生活の中で一個の小石にしかすぎないのです。この小石を投げられた人間が澄むまでには時間がかかります。
人が住むということは、水が澄むくらい、じぃーっとその建物に住み続け、やがて清流に戻り、自分の姿が写るほど澄んだ状態になる事を言うのだと思います。人が、澄めるようなただの小石をこれからも投げ続けたいと思います。 |
1995年・夏 |