家づくりのパートナー選びをサポート|おきなわ建築Web
理想の住まいを手にするために、住まいづくりをしたい方と建築のプロとの出会いの場を提供するWebサイトです。
おきなわ建築Webについてお問い合わせ サイトマップ
TOP 住まいづくり情報 家づくりのプロを探す 特集 本・出版 建築Webニュース 会員登録について
TOP家づくりのプロを探す設計事務所を探す > (有)建築研究室 DIG and PILE (DAP) 
(有)建築研究室 DIG and PILE (DAP)
紹介ページTOP Profile  作品紹介
   
 島豚賛へ


真喜志 好一

久しくあなたにお目にかかってませんがお元気ですか。中頭の陶芸家さんと暮らしていると、聞いているのでいずれ暇をみつけて会いに行こう、とは考えています。

このところ、理想的な広さの敷地と環境、十分な予算、しかもあわてず急がずの設計期間に、きちんとした設計料を準備してくれて…という僕たちにとって恵まれた仕事の機会はますます遠くなりました。狭い島のうえ、不景気でせちがらい時勢ですから、環境の良い土地を手に入れると、建築予算は残らず、マイホームをほしい人も、設計する僕たちも苦しむわけです。玄関ドアやタイルとか、見てくれのお化粧の変化を『注文建築』として高価な商いをする不動産業者はハンジョウしていますヨ。「設計の依頼者はわからず屋ダ!」とお高くとまっている設計事務所も自分で自分の首をしめていると言えます。

ところで、何年か前の春、島豚さんの石造の、母、兄、弟豚の三室もあるお宅、ウヮーフールで、うたた寝した時の感銘は忘れられません。二つの仕切りの石壁には、それぞれ小、中の穴があいていて、弟は兄、母のどちらにも行け、兄は母の方だけに行け、母は兄、弟のどちらにも行けないように穴のサイズが工夫されていました。子の甘えは許し、親が干渉しすぎずに、大きなものが小さなものの食器を横取りできないような倫理がお住まいにも反映されていました。生活と住まいの見事な一致。しかも小さな家ながら大地にしっかり根をおろした力強い造形。言葉が通じないというハンデを超えて、石大工は島豚さんと心で会話したのでしょうか。屋根にもやわらかいカーブをつけた石大工の優しさに脱帽。

僕はあの日、僕の提案を、依頼者が拒否なさるときの非が、依頼者のガンコさによるのではなく、自分にあることを知りました。家主の人生観、価値観を建築に表現する能力が十分備わってはなかったのです。「条件が悪くてネ」と、心の片隅でこっそり言い訳してはおしまいで、ものづくりの資格はありません。あたりまえ、といえばそれまでですが、ウヮーフールのおかげで目からウロコが落ちた思い。大きな白豚さんに負けず強くたくましく生き残って下さい。大恩のある島豚さんへ。

(1983年1月20日沖縄タイムス紙掲載)



プライバシーポリシーメール会員登録 お役立ちリンク ページトップへ
おきなわ建築Web
本サイト内に掲載の記事・画像の無断転用は一切禁じます。